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薬剤師研修支援システム

『薬を取り巻くあらゆる変化に順応し、適正な薬物療法と患者支援に取り組む薬剤師』 

2016年8月
一般社団法人 日本病院薬剤師会 会長 木平健治

 

   私は、平成5年に広島大学医学部薬学科の研究分野から臨床現場である附属病院薬剤部に移った。そして初めて薬剤師の研修制度を知った。折しも一年前の平成4年に医療法が改正され、薬剤師が医療人として明記され、同じ年から年間40単位の取得を研修認定の条件とする広島県病院薬剤師会の研修制度が日本病院薬剤師会に2年先んじて開始され、現在も引き継がれている。

  常に新しい知識や技術を知り習得してゆくことは、制度として認定証を交付するかどうかは別としても、日進月歩する全ての領域において当然のことであろう。広島には、某自動車メーカーがあり、古くは世界初のロータリーエンジンの開発、直近では燃費効率を飛躍的に向上させたディーゼルエンジンの開発を成功させている。これらは、関係する技術者のたゆまぬ探求心(研修)の成果の典型と言えよう。

  医療、特に医薬品の開発においても最近の進歩は目覚ましい。遺伝子技術を駆使した医薬品、標的となる分子モデルから設計される分子標的薬の開発など枚挙に暇がない。このような医薬品の出現により医療への貢献度は飛躍的に高まっている。一方、これらの医薬品の有効性と安全性の確保のためには、これまで以上に十分な知識が要求される。新規に開発される医薬品は、有効性への期待も高いが一般に高価で、副作用の面から管理が重要なものも多い。

  日本薬剤師会が制定した薬剤師綱領・薬剤師倫理規定、ASHPの倫理規定、WHOの提唱する7つ星薬剤師にも、生涯研修の必要性が謳われている。このように薬剤師は生涯にわたって新しい知識・技術習得に努めなければならない。その点、我が国は恵まれており(整理が必要な時期かもしれないが)、日本薬剤師研修センターをはじめ様々な研修制度が存在しており、新制度も始まろうとしている。

  薬剤師として研鑽を積み、薬物療法の効果・安心・安全はもとより効率性・経済性などにも目を向け『薬を取り巻くあらゆる変化に順応し、適正な薬物療法と患者支援に取り組む薬剤師』として医療人の一員として貢献できればと思っている。