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薬剤師研修支援システム

薬剤師への信頼と健康づくりのサポート 

2016年1月
理事長 豊島 聰 

 

 最近、友人の信頼を失いショックを受けたことがあります。一般的に信頼は、失うことは簡単であるが、取り戻すことは大変困難であると言われておりますので、大切な友人を失ってしまうのかと、胃が痛くなる思いをしました。幸いこの時は、すぐに誤解が解けて信頼の回復に時間がかかりませんでしたので、胃を悪くせずに済みましたが、不注意な言動は慎まねばと反省しました。

  ところで、近年、薬剤師は医師の処方箋に基づき、調剤しているだけの存在であるという厳しい見方をする医療人からの批判などにより社会的な信頼に陰りが出てきているように思われます。  実際には、調剤時に監査、疑義照会、服薬指導等、医薬品の適正使用のために薬剤師としての職能を果たしており、単に医薬品のピッキングを行っているわけではありません。さらに、服薬中の医薬品の一元管理という重要な業務も行っています。また、薬局は地域の健康づくりのサポートを行うことが期待され、その環境整備が行われてきています。

  医薬品の適正使用には、薬剤師の服薬指導が重要であることを理解してもらうことが大切ですが、自分が患者として処方箋を持参して調剤してもらった経験では、薬剤師からのアドバイスは通り一遍なものが多く、真に必要と感じたことはほとんどありません。この原因の一旦は、コミュニケーション力の不足と助言の裏付けとなる知識の不足にあると思われます。しかし、一方で患者の医師への信頼度が薬剤師に対してより高いため、医師が処方してくれた薬に対しても信頼しており、薬剤師には、できるだけ短時間で調剤してくれることを主に期待していることが多いように感じます。米国では、薬剤師が常に信頼度の高い職業の最上位にありますが、残念ながら日本では、あまり高いようには思えません。医薬品の適正使用、健康づくりのサポートには、薬剤師がその職能を十分発揮して職責を果たしていくことが重要ですが、そのために最も必要なことは患者からの信頼です。

  患者の十分な信頼を得ることは、一朝一夕にできることではありません。個々の薬剤師が生涯学習によりさらに職能を高め、それを活かした実践による地道な努力から、薬剤師全体の評価・信頼を得ることが必要です。薬剤師はこれにより薬を介した国民の健康づくりのサポートに貢献していくべき時と考えます。