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薬剤師研修支援システム

島国の日本における「生涯学習」をみんなで考える

2013年9月
一般社団法人日本女性薬剤師会
副会長 小縣 悦子

 

 日本の総面積(377,955㎞2)は、世界192ヵ国中62位の広さがありますから、それほど狭いわけではないようです。島国である日本の東西南北端を旅するツアーには定評があり、東西南北端をすべて踏破した方へ『証明書』を発行している自治体もあります。

 

 日本の国土の外周を回っていく旅番組も好評ですから、国土の端っこや一番高いところに立ってみたいという気持ちは、多くの人が共通に持っているのかもしれません。ちなみに人が立ち入ることのできる最北端は、宗谷岬(北海道稚内市)、最西端は与那国島西崎(沖縄県)、最東端は納沙布岬(北海道根室市)、そして最南端は、波照間島高那崎(沖縄県竹富町)、最高峰はもちろん富士山(3,776m)です。

 

 さらにもともと島国の日本には、小さな島がたくさんあります。これらの中には薬局の存在しない離島も多く、残念ながら最南端の波照間島に薬局はありません。 現代は、医学も薬学も、他の科学技術同様、日々急激に進歩しています。昨今は、専門性の高い薬剤師のプロフェッショナル教育も重要視されていますが、薬剤師が患者の期待に応えることができるためには、信頼と信頼に足る知識が必要で、特に離島や山奥の薬剤師には、ジェネラリストとしての知識が重要となります。いつでも近隣住民の健康相談に応えることのできる充分な知識と経験が必要です。

 

 日々、進歩していく医療と新しい治療法を学んでいくためには「生涯学習」が最も重要でかつ基本になります。各地でいろいろな形態の「生涯学習」が展開されていますが、厳冬の北海道や東北では、冬場の集合研修は困難でしょうし、秋の台風シーズンでは沖縄をはじめとする西の地域では、研修会の予定も立てにくいことと思います。ましてや、島国である日本特有の小さな島々の薬剤師には、集合研修への参加もままならないことでしょう。

 

 現在は、個人の自主性に任されている「生涯学習」ですが、離島や山奥で住民の健康に寄与している薬剤師のためには、いつでも、どこでも好きな時に学ぶことができる「生涯学習」の形態の構築が必要になってきていると思います。通信教育やインターネットなどを駆使した「生涯学習」を盛んにすることで地域格差を是正する努力をして、日本の薬剤師の実力がさらにアップすることを願うものです。