2025年7月
厚生労働省保険局医療課 薬剤管理官
清原 宏眞
令和6年7月に久しぶりに役人仕事に戻り、また、配属先が12年振りの医療課と想定外続きで、更に追い打ちを掛けるように毎年の薬価改定があるという、落ち着く間もなく今に至った感じです。これからの秋から冬にかけての調剤報酬改定、薬価本改定などいわゆる表年の仕事がざわざわ動き始まり、周りを見る余裕もなく春まで突き進みそうです。
この離れていた12年間で、赤子がランドセルを手放すまでの年月が経過するように、薬剤師の業務も見違えるほど大きく成長しました。薬学教育6年制が実施・定着、調剤報酬の評価が対物から対人に大きく変わり、薬剤師が期待される業務も明らかに大きく拡大していました。そして複雑な調剤報酬体系を知り驚くばかりです。
調剤報酬体系全体を見ていて、一層重要となってきているのが対人業務であり、薬剤師の皆様ひとりひとりがしっかりした知識・経験にもとづき自信を持って対応し、患者とその家族等の信頼を勝ち得ていくこととが必要と感じました。個々の皆様は日々努力・工夫されているところと承知しています。皆様の日々の努力が薬剤師全体の信頼を勝ち得るには、患者側、家族側にとってどこの薬局、どの薬剤師でも一定の高いサービスが受けられる状況となることは大変重要です。調剤報酬における評価では、施設基準に薬剤師が研修等を受けていること、あるいは受けていることが望ましい、としているものが多く見られます。これは、調剤報酬での評価は全国共通であり、そのサービスの内容が一定程度の質を保つ必要があるため、担い手である薬剤師に対して、その調剤報酬に係る業務に関する知識・経験の取得を求めているものと思います。
公益財団法人「日本薬剤研修センター」では「薬剤師の自己研鑽をかたちにする」として各種の薬剤師認定制度や調査研究・試験等が行われ、国の施策に沿った研修等も実施されています。ぜひ薬剤師の皆様には各種研修等に参加し、医薬品を介したより良い医療の提供者として活躍していただければと願っています。
最後に、皆様の成長に合わせた大きさの服がうまく作れているかを気にしながら、すこしでも素敵で活動しやすい素材の服をしつらえたいと思いますので、ご助言、ご協力よろしくお願いいたします。