2022年4月
理事長 豊島 聰
日本薬剤師研修センターは、研修履歴や各種認定に関する全ての手続きなどを管理するために薬剤師研修・認定電子システム(PECS)を導入しましたが、いよいよ4月から本格稼働となりました。PECSは、研修センターの事務処理能力向上等により認定までの期間を短縮するとともに研修センターが研修認定薬剤師制度における取得単位を直接管理して研修受講シールの紛失の防止や単位の不正取得の防止などを可能にするもので、薬剤師にとって研修認定制度をより有用性・利便性に優れたものにするため導入されました。
PECSで研修認定申請に必要な単位の交付を受けるためには、まず登録が必要です。登録は昨年3月に開始しましたが、本格稼働は、本年4月にずれ込んでしまいました。その主な原因は、登録時に氏名、薬剤師名簿登録番号、名簿登録年月日などを誤って入力された薬剤師の方が多数おられたことです。薬剤師名簿登録番号を誤って入力しますと正しい薬剤師名簿登録番号の薬剤師の方がPECSに登録できなくなります。また、誤って登録したことが判明しますと誤った方の取得単位は無効になるなどの不都合も生じます。登録にあたっては、必ず見直しをして誤った登録をしないようにしていただきたいと思います。
PECSに登録しますとユーザーID(QRコード)が交付されますが、これは無料で交付されます。集合研修や学術集会の受講者は自身のQRコードを研修開始時と終了時に読み取り機に読み取らせることにより単位を取得することができます。取得単位のデータは研修実施機関が、PECSにアップロードしますので、取得単位の管理は薬剤師自身が行う必要がなくなります。ユーザ情報の安全確保のため、このシステムを使用する皆さんにはユーザIDの管理を厳重にしていただきたいと思います。
パスワードを設定してログインしますと、画面には、(1)QRコード、(2)研修等の終了状況、(3)受講・受験申請、(4)レポート提出、(5)受講歴一覧、(6)認定申請、(7)IDカード発行申請、(8)個人情報変更のメニューが表示されます。PECSの本格稼働後は、このメニューから各薬剤師が必要とする情報を取り出すことができます(QRコードの付与はPECS本格稼働前)。
以上、PECSは、研修認定を取得しようとする薬剤師の方にとって利便性高く有用なシステムとなるよう設計しましたので、このシステムをよく理解し、有効に利用して研修認定を取得していただくことを期待しています。