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薬剤師研修支援システム

地域に貢献する薬剤師として活躍を 

2018年8月
公益財団法人 杉浦記念財団 理事長 杉浦 昭子 

 

 1976年3月、薬科大学を卒業し、同年11月に2年先輩で先に修行をしていた主人と結婚、同年12月、医薬品・健康食品・化粧品・日用品の販売および処方せん調剤を目的とした薬局を愛知県西尾市に開設して以来、「地域のかかりつけ薬局」をめざしてスギ薬局を育てて参りました。患者のための薬局ビジョンにあるように「かかりつけ」そして「地域」への方向性を共有しています。

  そして、スギ薬局が創業35周年を迎えるにあたり、これまでのご支援に社会貢献という形で少しでもお応えしたいとの気持ちから、2011年9月に「一般財団法人 杉浦地域医療振興財団」を設立いたしました。そして2015年7月に公益認定を受け、名称を「公益財団法人 杉浦記念財団」に改めました。これを機に、それまで行ってきた地域包括ケアシステムの実現に向けて活動する個人・団体を支援する活動に加えて、医薬品適正使用や介護予防の分野でも幅広く社会のお役に立てる活動を推進していくことにしました。

  これからの薬剤師は、単独で存立するのではなく、かかりつけ医を始めとした多職種・多機関と連携して、医薬品適正使用を中心に地域包括ケアシステムの一翼を担う存在となることが地域から期待されています。地域医療では、生活を支える視点が重要であり、薬剤師としての専門性が試されています。専門性とは、他の職種から求められることにアドバイスできることでもあり、幅の広い知識が必要になります。生活を支えることは、やりがいがあり、そして専門職としてのチャンスでもあります。また、2025年問題として有名な高齢化が今後もさらに進むと予想される中、地域における健康の基盤作りをしていくことも重要なことです。これらの課題に対して、薬剤師としての知識を的確に活用することで、一人ひとりを幸福にすることができます。そんな薬剤師を目指す方々を、日本薬剤師研修センターと協力して、バックアップもしていきたいと考えています。

  日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師は、約10万人に達したとのことです。薬剤師の4人に1人程度まで広がったことは、生涯学習に取り組むシステムが浸透してきたことを意味します。現在は、地域共生社会として、薬局も含む地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源がつながることで、一人ひとりの暮らしと生きがいを地域とともに創っていくことが求められます。このような背景の中、薬剤師が、新しい知識と技能を習得し、業務の充実が図られるよう、薬剤師の生涯学習の引き続きの支援を日本薬剤師研修センターに期待しています。