実務実習指導薬剤師の養成について

理事長 井村 伸正 

  薬剤師にとっても薬学にとってもきわめて重要な平成22年度が始まりました。平成16年度に薬剤師養成を目的とした薬学部教育を2年延長して6年とする法律が成立し、新制度スタートから4年を経て、各関係機関は長期実務実習の準備に頭を悩ましているところと推察しています。

 このたびの薬学教育の改革で最も重要視されているのは、これまでの薬剤師教育でおろそかにされてきた実務実習の長期化・必修化と卒後の薬剤師研修の充実です。中でも必修化された6ヶ月の実務実習についてはこれまで薬学生の実習を担当してきた病院・薬局にとって初体験であり、実習施設とそこで学生を指導する指導薬剤師の質と数を確保することが当面の大きな課題となっています。

 厚生労働省は平成17年度からの薬剤師研修事業において実務実習指導薬剤師の養成を重点課題として取り上げ、各実習施設に1名以上の指導薬剤師を置くとして、想定される実習施設(病院及び薬局)の数から、平成21年度までに約10000人の実務実習指導薬剤師を養成する研修事業を計画して(財)日本薬剤師研修センターにその実施を委嘱してきました。

 当センターでは平成16年秋から検討委員会を置いて集中的な討議を行い、平成16年度末に上記研修事業実施計画を作成しました(3月25日公表)。この計画の中では当時日本薬学会薬学教育部会FD推進委員会の主導で行われていた「全国薬学教育者ワークショップ」を参考にした教育理念についての理解を深めるためのワークショップ形式と、1)病院、薬局それぞれにおける学生の指導方法、2)薬剤師に必要な理念、3)実務実習モデル・コアカリキュラム、4)最新の薬剤師業務、ならびに5)免許取得前の学生に許される実習中の行為の範囲と違法性阻却事由等についての講習会形式からなる研修を履修した薬剤師を「実務実習指導薬剤師」として認定することとされました。

 平成22年3月現在、(社)日本薬剤師会、(社)日本病院薬剤師会、薬系大学、その他多くの関係各位のご協力の下、目標を超える13000人の認定者が誕生しています。しかしながら、地域によっては不足しているとの声もあり、厚生労働省補助事業としては終了した実務実習指導薬剤師養成研修を(財)日本薬剤師研修センターの独自事業として平成21年度までとほぼ同じ内容で平成22年度も実施することに致しました。日ごろから多様な形態の研修に参加して研修認定薬剤師の認定を受けた方、あるいはこれから認定を受けようとしておられる意欲的な方がたには、是非、積極的にこの「実務実習指導薬剤師養成研修」に参加され、新教育制度での後輩薬剤師の育成に貢献していただきたいと期待しております。


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